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本番まで一ヶ月を切った。と言っても、現役の頃のような焦燥感や切迫感がなく、なんとも不思議な感じである。涼しい風がゆるりと、頬を切っていく。夏はもう終わったんですか?と誰に聞くまでもなく、そこに吹く風が全てを物語っていた。

 

 

今日の練習は参加者が少なかったので、合奏は簡単に済ませ、ほとんど個人練に時間を使い、帰りにビビンバを食って帰った。今お腹パンパン。窓際の座席に座り、楽器を椅子の横に立てかけ、関戸と小松くんがメニュー表を見ながら、何にしようかな〜と喋っている、そんな光景は、まるで埃を被った小説のページをめくるように、古い記憶を少しくすぐった。関戸くんが、イカのような形に折った箸袋をクスクスと笑いながら見せて来て、「チ○コ」と呟く。こいつは昔から、箸袋で折り紙をする癖がある。俺より二つ年上のくせに、下ネタでよく笑う。いい加減、年相応の分別をわきまえた言動を心がけて欲しい(お前もな)。

 

 

すでに知っている方も多いと思うが、来月に演奏会を行う。よかったら見に来て欲しい。今の所、現役の女の子一人と、直樹(俺の親父)だけが事前登録してくれている。このままだと直樹と女の子の二人だけという、意味わからん空間ができてしまうので、みんな来て欲しい。

 

 

たぶん最後になるからと、初めて演奏会に家族を誘ってみたのだが、全員来ると言い出して、誘ったことを少し後悔した。親戚のおじさんも来てくれるらしい(葬式じゃないんだよ)。思春期の授業参観じみた恥ずかしさが湧いて来ないでもないが、どうやら俺も歳をとってしまったようで、ありがたさが少し勝っている。

 

 

正直、言葉の一つや二つで、お客さんの数が増えるとは到底思えないのだが、いくつかアピールポイントをあげるとすると、

 

懐かしの友人と会える、かもしれない

驚きの近況を聞ける(え、結婚したの?相手は?年収は?)、かもしれない

直樹に会える(100%)

また、楽器を弾きたくなる、かもしれない。

 

 

もし、その日があまりにも暇で暇でしょうがなかったら、時間潰しがてらに、よかったら見に来て欲しい。曲紹介とかはまたこんどで。ではでは。ごきげんよう

 

おわり